漫画、小説、映画などの感想

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オバケのQ太郎1巻

藤子・F・不二雄大集をそろえています。

新品1冊あたり1000円以上するので、そうそう頻繁に買うわけにもいかず毎月1冊づつ購入しているのですが、ときおり安く買えたりするので頻繁に通販サイトを覗いたりしています。


今回紹介する「オバケのQ太郎」は、日常の中に異分子が住み着いて、さまざまな騒動が起きるという藤子先生の王道パターンを確立し、社会的に大ブームを巻き起こした大ヒット漫画です。

子供のころオバケのQ太郎のアニメが放送してたので、その流れでコミックのほうも読んでいたのですが、何十年も前の記憶ですし、はじめて読むような感覚でページを開きました。

「思ったより古いなぁ」

というのが最初の印象。1964年の作品ですし、当たり前ではあるのですが。

あとがきによるとトキワ荘のメンバーが、スタジオゼロを立ち上げたころに連載の話がきたらしく、原稿料をスタジオの運鋭資金にまわすため、作画をメンバーで分担していたのだとか。

藤子・F・不二雄先生後期の完成された画風、品がある洗練された絵のイメージが強い人から見ると違和感を感じるかもしれませんね。

脇役は石ノ森章太郎先生が描いていたらしく、絵柄がまんま本人です。藤子先生の画風にまったく合わせようとしないのはご愛嬌です。


読んで印象に残ったエピソードは「オバ子がいたよ」

正ちゃんの林間学校に、Q太郎がついて行きたがるのですが、当然断られます。どうしてもついて行きたいQ太郎は、女装してオバ子としてまぎれこみます。

しかしある男の子が「ひとり多くまぎれこんでる」と気づいて、オバ子のことを先生にいいつけようとします。しかし、そのつどオバ子がとんだり消えたりして、先生の視界に入りません。男の子は先生に、からかっているのかと叱られるといった内容です。

これとよく似たエピソードで21エモンに「火星に遠足」という話があり、セルフリファインとして興味深かったです。

また「ネズミを追い出せ!」なんかは、のちのSF短編「うちの石炭紀」を彷彿させます。

こういうのを発見するとファンとしては嬉しくなりますね。