映画 祈りの幕が下りる時 感想
テレビドラマや前作「麒麟の翼」がよかったので、劇場に観に行こうか迷った映画でした。結局、映画館には行かなかったのですが、これは劇場で観なかったことを後悔しました。かなりいい映画だと思います。
それにしても主演の阿部寛と舞台演出家役の松嶋菜々子の存在感はハンパないですね。絵になるのはもちろん、出演する映画の格をワンランク上のレベルに上げることができる役者だと思います。「麒麟の翼」に出てた中井貴一なんかもそういうところありますね。
ストーリーもよかった。このシリーズは謎解きと同じぐらい、関係者たちのヒューマンドラマに比重をおいてますが、今作も見ごたえがありました。
一番の見所は舞台演出家の過去の話ですね。
ここから先はネタバレになりますので未見の方は注意してください。
じつに壮絶な父娘の人生には揺さぶられるものがありました。固い絆で結ばれ、ぼろぼろになりながらも娘は成功し、父は娘だけを生きがいに顔のない人生を送るという悲しさ。
父を手にかけるときの、松嶋菜々子の演技はすごかったです。涙が出そうになりました。
事件の謎自体は、死んだはずの人が、他人になりすまし生きていて、犯行をしたという、まぁよくある話です。しかし、話の持って行き方がうまいので途中ダレるようなところはなく終始楽しめました。
エンディングテーマでテレビドラマの出演者が友情出演してるのもよかった。けっきょく人形焼は直前で売り切れてましたね。