漫画、小説、映画などの感想

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暗闇の囁き 綾辻行人 感想

綾辻行人の文章は読みやすくていいですね。ページをめくる手が止まらず一気に読んでしまいました。「緋色の囁き」と比べると少々物足りなさを感じましたが、それでも面白かったです。
むかし流行った角川ホラー文庫で出ててもおかしくないような感じの話でしたね。ホラー要素とミステリー要素がほどよくミックスされた良作じゃないでしょうか。

こっから先はネタバレありなんで未読の方は注意してください。
厳粛な家庭環境で、同世代の子供たちが当たり前のように触れてきたメディアにふれたことがないから、主人公の拙い作り話ですら感銘を受けてしまうというイノセンスな兄弟の2人3役の会話ってのはゾっとしました。1人2役ならよくあると思うんですけど、だいぶサイコパス感がありますね。顔立ちが整ってるっていうのも、いかにもって感じで不気味ですし。
面白かったんですけど、欲を言えば主人公かヒロインが危険な目にあってほしかったです。兄弟に身体の一部を狙われるとか、後半にもう一波乱スリルがあってもよかったと思います。