漫画、小説、映画などの感想

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私が彼を殺した 東野圭吾 感想

加賀恭一郎シリーズです。あらすじはWikipediaによると

脚本家の穂高誠が、結婚式当日に毒殺された。容疑者は被害者のマネージャー、花嫁の兄、敏腕編集者の3人。事件後、3人は密かに述懐する。『私が彼を殺した』と。

東野圭吾は好きな作家ですが、解決を書かないのはどうなんですかね?
この作品より前に「どちらかが彼女を殺した」って作品も同じように解決まで描かれていないので、このやり方は当時の読者には「アリ」と受け入れられたということでしょうか?
刊行当時が1999年ですから、ネットがいまほど普及はしていなかったので犯人がわからない人はずっとわからなかったんじゃないでしょうか?わかっても答えを確かめる術がないですし、ストレス溜まったと思うんですよね。
ストーリー自体はおもしろくてすいすい読めました。被害者の穂高のクズっぷりが清々しいレベルで、死んだときは胸がすく思いでした。
容疑者3名のうち神林貴広は作者が意図的に感情移入しやすく書いているのかもしれませんね。犯人は彼であってほしくないという感覚で読み進めました。こういう人多いんじゃないでしょうか。
誰が殺したのか自分にはわからなかったので、ネットで調べましたが、答えがわかってからもいまいちピンと来なかったです。
犯人当てよりも探偵役が鮮やかに事件を解決する様を見たい人にはオススメしません。面白く読み進められますが、最後に消化不良になります。
逆に何度も読み返し、犯人は誰なのか、どうやって殺害したのか考える人には楽しめると思います。