マスカレード・ホテル 小説 感想
映画が公開されましたが、原作本の感想です。東野圭吾の小説を読むのは、これが3作目です。読むたび思うのですが、この人の小説は非常に読みやすいですね。文章に過不足がなく、テンポがいいのですいすい読めます。このマスカレード・ホテルは文庫本としては厚いほうだと思うのですが、2日で読めました。
ホテルのフロントマンとして潜入捜査に入っている刑事・新田と教育係の山岸の関係がいいですね。最初はお互い反発があったけど、じょじょに心の距離が近づいていくという黄金パターン。おっちゃんこういうの好きだわ～
連続殺人事件の次の犯行現場が現場に残された暗号から「ホテル・コルテシア東京」だとわかり、潜入捜査を行っているのですが、怪しい客が入るたび、その人を中心としたショートストーリーが入ったりして、読み応えがある作りになっています。
ここから先はネタバレになるので、未読の方は注意してください
連続殺人に共通点がないことから、自分はネットで知り合ったもの同士の交換殺人なんじゃないだろうかと予想して読みましたがはずれましたね。真相は警察の目をくらますため連続殺人に見せかけただけの、それぞれが独立した事件でした。
黒幕のX4には殺したい人物が2人いて、そのうちひとつの犯行を別の連続殺人に組み込むというアイデアは面白いのですが、少々強引な感じは否めませんでした。この作品に限らず、東野圭吾さんの作品は少々強引なところがありますね。面白いですけど。
作中でも言及されていましたが、X4の殺したい2人の人物に接点はないので、こんな面倒な殺人を演出しなくてもいいのに、というツッコミは誰もが入れたいところだと思います。
しかし、X4の正体は意外でした。ショートエピソードの登場人物でもう登場しないものだとばかり思っていたので、驚きました。犯人の動機に関してはかわいそうでしたね。ヒロインに悪気はなかったとはいえ、結果的にお腹の命が失われているわけですから「事件が解決してよかった！大団円！」
って気分に少々、水をさされたようなところはあります。
全体的に楽しめたので、続編のマスカレード・イブも読んでみたいと思います。
3月30日に感想書きました
